家の延長のような一人ひとりが安心できるトイレである。公園内の「健やか交流ゾーン」の導入として、誰でも親しみやすく使いやすい空間を目指した。また、「常緑樹の中庭」を設け、トイレ使用者の鑑賞の場としてだけではなく、隣地の駐車場からの目隠しも兼ね、公園の一部として共存を図れるような自然環境の形成も目指している。建築は、抽象化されたY字の樹形断面がそのまま個室断面となり、その連なりが全体を形作っている。個室はY字の連なりのように個室でありながら一般的な公衆トイレ同様、防犯対策として上部ではつながっており、トップライトから光が降り注ぐ。半外部のエントランスと手洗い場は一体となっており、鏡越しに中庭を眺めることができる。広大な公園の中に「家のような軒並み」を生み出し、広大さに対する安心感を引き出すランドマークになることを目指した。
計画年:2010
場所:福岡県北九州市
用途:公園トイレ
規模:115.66sqm
構造:鉄筋コンクリート造
北九州市公園トイレ提案設計競技応募案