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アパレルショップの計画案。テナントの与件も多種多様であるが、できるだけ条件を整理し、新しい事業形態に発展できる仕組みを見つけたい。アパレルの場合、ストック/ディスプレイ問題がある。ストックヤードは売り場面積に匹敵する広さを確保する必要があるからだ。単純に倉庫的に計画した途端に華やかな見せ場が減少してしまう。倉庫を見せ場と化してしまう方法は今や珍しいことではないし、潔さもあるが、誤解を恐れず言うなら、ストックを最小限に抑え、在庫限りのフィッティングスペースだけを積極的にディスプレイしていく方法もあると思う。試着して店内をそぞろ歩き、商品は後日、家に届くロジを前提とした計画である。手荷物も減り移動負担も減るであろう。

購買心理として、モデルやトルソーが着ている状態を見てレファレンスするよりも、自ら試着し様々なシチュエーションに身を浸したほうがより身体的に現実的な場合もある。ここでは適宜面積配分された島状の様々なシチュエーションが、レジ含む共用部にまたがるように分散配置される。島を渡り歩きながら様々なアイテムを身に着けて、購入判断の選択肢を増やしていく。場所の多様さをデザインの主軸に置くことで、顧客のおきまりの試着室のミラー越しの判断以外の意思決定機会を増やすことが目的である。

計画年2005
場所:-
用途:アパレル内装
規模:170sqm