市民発!介護なんでも文化祭「震災と介護」テーマ館

仮設住宅の共用通路にオーニングを掲げる「ソラノキャンバス」を実施するにあたり、住民のニーズを一緒に聞いていただいたケア事業のNPO団体から、毎年関連団体らが一堂に会して行っているという社会福祉展で、震災に遭った2011年は「震災と介護」をテーマとするフォーラムと車座トークと展示をしたいとのことで会場構成のご依頼いただいた。我々のソラノキャンバスも展示させてもらうことができた。

大きな条件として、石巻市桃生町の避難所で実際に使われた段ボール製の避難ブースが閉所とともに廃棄されるというので、NPOが引き取るので再利用してほしいというものだった。構造用段ボールのような厚く丈夫なものではない、たわみやすい(実際にたわんでいるものも多かった)大判サイズが大量にワゴン車で東京に持ち込まれた。その中には実際に使われた段ボール製の「福祉避難所」(必要なスペースを区画しただけという貧弱なもの)の展示も含まれた。中には河北新報社や石巻日日新聞が被災してもなお手書きで新聞を作った有名な逸話があるが、そのレプリカも展示された。

素材の仕分けとともに各団体の展示内容をスピーディに整理し、誰でも組み立て/分解可能なテーブルや展示パネル、車座会議用のスペースなどの4種類の簡易なコンポーネントを用意することにした。段ボールは所沢市の航空公園近くの倉庫に運び込まれ、団体職員有志らによってカッター、木工用ボンドのみで製作され、仮組みして確認し、再び分解して会場である上智大学四谷キャンパス第1体育館に運搬された。1日限りの特別展ということもあり、即興性・仮設性が色濃く反映され、訪れる人々に避難所の生々しさ、プラバシーの概念がデザインに未反映のわが国避難所のあり方を肌で感じてもらえるドキュメンタリーを目指した。

計画年:2011.9~2011.10

開催日時:2011.10.23(日)
場所:上智大学四谷キャンパス第1体育館
用途:展示会場
協同者:基真由美/M.A.D一級建築士事務所
協力者:東京デザイナー学院有志、株式会社トーヨーホーム
主催:介護なんでも文化祭実行委員会
共催:上智社会福祉専門学校

参加団体:かながわ東日本大震災ボランティアステーション、NPO法人支えあう21世紀の会、避難者をNPOをつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)、訪問ボランティアナースの会 キャンナス、全国移動ネットワーク災害支援の会、NPO法人日本トラベルヘルパー協会、NPO法人NPO事業サポートセンター、ICTキャラバン隊、震災復興インターネット、震災復興支援 サポートチームG、ソラノキャンバスプロジェクト、NPO法人市民福祉団体全国協議会、NPO法人たすけあいの会ふれあいネットまつど、日本財団ROADプロジェクト、河北新報社、石巻日日新聞、NPO法人移動支援フォーラム