二又の散策路をつなぐ小道のような細長い休憩施設の提案。北海道の壮麗な原野に力強い木が親子のように立ち並ぶ原初的なイメージにもとづく極めてプリミティブな建築化の試みである。4本の掘立て柱の上にスチールプレートでサンドイッチした1枚の屋根板を乗せるだけという極めてプリミティブな構造計画。掘っ立て柱は、上部・下部の2部構成で、室内に現れる長方形断面(500mm×250mm)の上部矩形部分=柱と、上部長さの2/3以上で、かつ、支持層以深まで地中に打ち込まれる600Φの下部円形部分=杭からなり、それぞれ、現場打ちの鉄筋コンクリート製として一体化する。屋根板は、厚さ3.2mmの耐候性鋼板を厚さ1.2mmのキーストンプレートでサンドイッチしたプレートで構成している。総厚31.4mmという薄さを実現しつつ冬季の対積雪荷重性能を確保すると同時に、中空層を確保しヒートブリッジを軽減させる役目を持たせている。また、サッシのディテールをプレートと統合し、コストと性能のバランスを保った、ピュアな一枚板による屋根を目指した。床は凍結深度以深にまで掘り込んだ位置に設置させることで、凍害を防ぐと同時に、打設の簡易な土間的な鉄筋コンクリートスラブとしている。また、2列の側面壁は床と一体化させることでU型擁壁として土圧に抵抗している。
計画年:2008
場所:北海道帯広市
用途:軽飲食施設
規模:18.00sqm
構造:鉄筋コンクリート造+鉄板構造(屋根部)
階数:地下1階