澄心寺庫裏

伊那盆地に面した小山にある伝統ある禅寺「澄心寺」の庫裏(住宅部分を含む)を21 世紀の「共(コモン)」のプラットフォームとして再生するという趣旨。既設の道路がゆるやかに連続するように建物を貫き、荘厳な風景と地続きとなる共有スペース(以下コモン)を形成する構成を提案した。コモンは特徴的なトンネル状の空間で、檀信徒の方々や不特定多数の人々との様々な交流の空間となっている。コモンを主軸に、管理者となる家族の団らんのための空間が接続されY字形状の一体的な共有スペースを形成している。これにより、玄関部における「共」的スペースに開放性や選択性が生まれ、コモン空間が庫裏全体へと拡張される可能性をつくり出している。主体構造は外周部を風景が固くならないようなカーブを持つ鉄筋コンクリート造、屋根を集成梁による木造の架構とし、大らかな殻を形成する。内部は木質により将来の改修を見据えた計画としている。このような外殻構造と柔軟な改装を可能とする木質系ジャイアントファニチャーの構成は、境内の風景の継承と変わり得る住環境との橋渡しにおいてひとつの解答になると考えている。

計画年:2008
場所:長野県上伊那郡
用途:庫裏(住宅)
規模:183.43sqm
構造:鉄筋コンクリート造+木造(屋根部)
階数:地上1階
共同設計:森田淳平