2枚の竹の集成材が5°振れた状態で、立方体のアクリル上面と側面に差込まれた透明な椅子。竹の直線的な美しさやしなやかさとアクリルの美しさを最大限生かした構成を求めた。
竹の集成材はそれぞれ背もたれと足置きとして機能し、独特の感触が背中、足裏に伝わってゆく。
「琥珀の椅子」は未来への贈り物である。
長い年月を経て琥珀の美しさは樹木から育まれ、樹木は化石となってゆく。化石は燃料として私たちの日常生活を助けてくれるが、有限である。しかし、消費してきた化石燃料は、様々な樹脂製品となり、リサイクルの体制によって地上にストックされている。
木とアクリルは長い時間を経てここに出会うのである。