Parallax

行灯に包まれた住まい

住宅とスタジオが一体となった、現代的な都市型SOHO空間の提案である。

中心には、やわらかな光を放つ行灯のようなスタジオが据えられ、その周囲を取り囲むように、キッチン、寝室、ユーティリティなど7つの空間が展開する。開放性と親密性を兼ね備えた構成であり、外周部の居室には自然光と風が巡り、中央のスタジオは人工的な環境の核として機能する。

空間の仕切りには、障子を想起させるような、やわらかく光を透過する素材を想定している。これにより、生活と仕事が視覚的に緩やかに接続されつつも、心理的には穏やかに分節される構成となっている。

作業中にキッチンを行き来する家族の姿がふと目に入る瞬間や、くつろぐ気配を感じながらデスクに向かう時間。こうした重なり合う時間軸が日常に自然に溶け込むことこそ、都市居住における新しい空間のかたちである。